自律神経を調える呼吸法

暑さに強く、クーラーの冷たい風がどちらかと言うと苦手だった私も、流石に今年の暑さにはクーラーの有り難さが身に染みました。日中はまだ汗ばむこともあるとはいえ、朝夕は素肌を晒していると羽織るものに手が伸びます。庭から聞こえてくる虫の鳴き声に耳が吸い寄せられます。柿、りんご、みかんとスーパーの果物コーナーの品揃えも変わってきました。お待ちかねの秋到来です。

先日、がんサロン(がんサバイバーが集う場所)の参加者と一緒に屋外でヨーガをやりました。緑地の木陰で、多少蚊に刺されはしたものの、天と大地からエネルギーを存分に頂戴し、全身で涼やかな風を感じながらのヨーガ。終わった後の参加者の表情の清々しいこと。「体の中が全部入れ替わったような気分です!」の感想がありました。

皆様もご自分なりの秋をご堪能くださいね。ただ、季節の変わり目は自律神経が乱れやすい時でもあります。そんなときにオススメな自律神経を調える呼吸法をご紹介します。「ナーディ・シュッディ」あるいは「ナーディ・ショーダン」と言われる片鼻呼吸法です。

吸う息:吐く息=1:2

つまり、2で吸えば4で吐く、3で吸えば6で吐く、5で吸えば10で吐きます。きょうは3で吸って6で吐いてみましょう。

1.楽な座り方で床か椅子に座り、肩・眉間(みけん)の力を抜き、背骨を真っ直ぐに保って、上下の歯は噛みしめず口は軽く閉じましょう。舌先が上の口蓋の前歯の付け根のあたりに自然ときます。

2.右手の「人差し指」と「中指」を手のひらの方に折り曲げ、親指、薬指、小指を立てます。親指で右の小鼻を押さえ、軽くくっつけた薬指と小指のうちの薬指で左の小鼻を押さえるように指を使っていきます。

3.薬指を浮かし左鼻から3で息を吸ったら、薬指で左鼻を押さえて閉じ、親指を浮かし右鼻から6で息を吐き出します。次は、指を動かさず親指を浮かしたまま、右鼻から3で息を吸い、親指で右鼻を押さえて閉じ、薬指を浮かして左鼻から6で吐き出します。

4.これを繰り返していきます。もし、3:6では息が足りなくなる、という場合には2:4のカウントで練習し、楽に続けられるようになったら段々とカウント数を増やしていきましょう。

息を吸うとお腹は膨らみ、息を吐くとおへそが背骨に近づくように元に戻ります(お腹の中に風船があって、息を入れるとその風船が膨らみ、息を吐くと風船が萎むイメージで)。意識はそのお腹の動きか、眉間、頭頂など一点に集中。あるいは、気になる部分に意識を置き、そこが次第に緩んでいく、楽になるとイメージしてもよろしいです。

朝昼夜いつでも、回数は何度でもやっていただいて大丈夫です。「朝起きた時だけだけど腰痛がある」というような方、呼吸法をやると血液循環が良くなり、腰痛が緩和されるという場合もあります。是非お試しください。

長村和泉

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