「VISION NOW」Vol.Ⅰ

見えにくい、見えない人のためのサポート情報
Natural relations INFORMATION PAPER、「VISION NOW」Vol.Ⅰ

障碍の理解と”ロービジョンケア”の普及啓発活動として、昨年の秋以来進めておりました石川県内の全中学校91校への書籍「見えない地球の暮らし方」の寄贈配布がこの2月末を持ってようやく完了し、引き続き、これからは、本筋ともいうべき、広く一般の方々に向けて、オリジナル情報紙を持って、その普及啓発に努めたいと考え、添付の情報紙「VISION NOW」Vol.Ⅰを製作いたしました。
昨年末に公開した私どもの活動紹介動画のなかでもお話させていただいておりますが,石川県内では、まだまだロービジョンケアについての理解と普及促進が浸透していないように感じています。
見えない見えにくくて悩んで困っておられる方にこの情報紙が渡されることにより、その方の暮らしがお仕事が、未来が少しでも拓けるものと考えます。
みなさんやみなさんのお知り合いを通じて、係り付けの眼科クリニックや内科医院、産業医の先生方、視能訓練士や福祉関係の方々、さらに身近な方々にお知らせください。
一人でも多くの方々に見ていただくことでケアが繋がるものと考えます。

電子データ(容量約1MB)、情報誌(A3版裏表)をご希望の方は、お問い合わせページよりお知らせ下さい。

見えにくい、見えない人のためのサポート情報 Natural relations InFORMATION PAPER VISION NOW Vol.Ⅰ 人が生きていくうえで必要とする情報の8割は視力から得ていると言われています。そのたいせつな視力がなんらかの理由により低下したり、失われてしまい、回復の見込みがないと診断されたとき、例えようのない絶望感に襲われ、失業は元より、人によっては、生きる希望さえ無くしてしまう人もおられます。 本紙がそのような方々のわずかでもお役に立てれば幸いです。 ご存じですか? iPhoneは、見えにくい、見えない暮らしを支えます。 いまや、保有率8割を超えているスマートホンですが、その機能について、よく知らずに、ただ、電話やLINE、せいぜいカメラとして使っている人がほとんどではないでしょうか? 実は、スマートホンには、見えにくい時や見えない時に視力をカバーしてくれる機能が備えられています。 ここでは、ある方の体験を元にその機能の素晴らしさをご紹介します。 iPhone は暮らしの必須アイテム! 細川元美(ほそかわもとみ) ナチュラルリレーションズ(視覚障碍者支援団体・石川県金沢市)  私は中途の視覚障害者でロービジョン、いわゆる弱視者です。弱視の見え方というのはそれぞれ違っています。私の場合は黄斑ジストロフィーという病気で網膜の中心部=黄斑部が変性していく進行性の病気です。  視力としては0.05くらいで中心は見えてないのですが周りは見えているので何かにぶつかったりすることはありません。  私は10年前まで産科クリニックで助産師として働いていましたが、一旦仕事を辞めて県立盲学校理療科で鍼灸マッサージ師の免許を取得しました。その頃はちょうど携帯電話からスマホに変わっていく時代で私もiPhoneを使い始めました。iPhoneには、「アクセシビリティ」という機能が搭載されています。その使い方をいろいろ覚え、今では生活になくてはならないものになっています。その中から主なものを紹介します。 よく使うVoiceOver(ボイスオーバー)と拡大鏡、ズーム機能  iPhoneにはアクセシビリティ機能が充実しており 自分の使いやすいようにカスタマイズして使っています。VoiceOverは項目や文章を読み上げる機能で、私はテキストや長文のメールは音声で聞きます。逆にじっくり見て理解したい時はズーム機能を使います。また、書類や本を読む時、文字を書く時は拡大鏡の機能を使い、まるでルーペを使うように使っています。中高年の方からは「そんな使い方があるのか?」と感心されることもあります。そして、このiPhoneのおかげで前の職場にお手伝いくらいですが復帰することができ、助産師に加え鍼灸マッサージ師としてのスキルも生かし、妊産婦さんのケアにあたることができてとても感謝しています。  また、見えにくくなってからは映画館に行くことをあきらめていましたが、副音声の入るアプリで見える人と一緒に映画を楽しむこともできるようになりました。   iPhoneで読書  目で文字を読むことが困難な人でも会員登録をして点字図書や録音図書を自宅にいながら楽しむことができます。使用する端末は専用のものもあるのですが、私の場合はスマホの有料アプリを使ってサピエを利用しています。読書も目を使わず iPhoneで読めるのでとても快適です。  以上、私のiPhoneの使い方を紹介しましたが これらは視覚障害者でなくても少し見えにくいという方でも使うと便利な方法だと思います。このようにみんなが使って便利なもの=共用品がどんどん増えてほしいと思います。 ※写真の説明 1 ホームキーがあって使い易いi phone SE  2 iPhoneの拡大鏡の機能を使って郵便物を見ている 3 ボイスオブデージー5の画面(サピエ) ※月刊「ノーマライゼーション」2021年10月号掲載” 暮らしのヒント”より引用 ◎本紙についてのお問合せやご不明な点、ご意見など下記までご連絡ください。 見えない、見えにくい人たちに新生活提案。 ナチュラルリレーションズ 〒921-8025 金沢市増泉2-2-16 ℡090-5174-7424 Mail HP https://naturela3871.org/ FB https://www.facebook.com/naturalrelations2005/ InFORMATION PAPER VISION NOW Vol.Ⅰ 2023年(令和5年)2月27日発行 第1号 編集発行人:稲垣和明、スタッフ:北山弘人、細川元美、北山美子、 製作協力:芳賀優子、IT IS彦坂哲郎デザイン事務所 ※本紙は、2021年度「第12回コープいしかわ地域活動助成制度」のご支援をいただき、制作いたしました。
Natural relations InFORMATION PAPER VISION NOW Vol.Ⅰ 例え、人生中半で見えにくくなっても見えなくなったとしても適切な情報の取得、細やかなケア、リハビリを受けることで新たな人生が拓かれます。 □視力・視覚に何らかの異変・異常を感じた時、医療機関でのご相談に加えて、次のような機関・施設を利用する事ができます。 ※県内外、公的機関・民間団体問わず、複数の施設・団体でのお問合せご相談をお勧めします。 [石川県内の主な機関・団体] □お住いの市町村障害福祉窓口、並びに市町村の社会福祉協議会 「ビジョンケアネット石川」 窓口:社会福祉法人石川県視覚障害者協会 TEL076-222-8781 FAX076-222-1821 〒920-0862 金沢市芳斉1-15-26 「見えない」「見えにくい」ことでお困りの方を対象に、それぞれの悩みに応じて石川県眼科医会・石川県立盲学校・石川県視覚障害者協会が連携し、適切な指導や助言をさせていただきます。関係機関等についての情報提供も行っております。 □「あうわ」視覚障害者の働くを考える会 HP https://auwawua.org/ Mail 〒920-0848 金沢市京町20-60朝日プラザ浅野川501 視覚障害者の就労の一助となる活動を行う団体です。見えない見えにくい当事者の「働きたい」を実現するため、行政をはじめとした関連機関と共に、地域の現状を把握検討し、座談会開催やラジオ番組を通して、問題や課題の周知に取り組んでいます。  □NPO法人 ぴあサポート HP https://www.peer-support.jp/ ℡076-254-5761 Mail 〒920-0003 金沢市疋田1丁目356番地 見えにくい見えない人同士が互いのコミュニケーション活動を通じて、 お互いのQOL(生活の質)の向上を目的に主に視覚に関する医療講演会や i phone、i padなど、音声によるICT機器の操作支援を行っています。 □網膜色素変性症の患者と家族の会「色変・ひまわりの会」石川県支部 ℡0761-24-1266 Mail 〒923-0865 石川県小松市福乃宮町1-36(事務局光井方) 石川県より、難病患者団体として認定を受けている患者と家族の会です。病気によって、見えにくくなっったり見えなくなってしまい、悩みや問題が生じている方々に様々な情報を提供。医療講演会や個別相談などを行い、より快適な生活が送られるよう活動しています。 □ナチュラルリレーションズ Youtube https://m.youtube.com/watch?v=EHZEtgkSLmA ℡090-5174-7424 Mail 〒921-8025 金沢市増泉2丁目2-16 グループメールを通じ、主に見えない見えにくいことに関する支援情報を配信。読み上げ機能を活用したPCやi phoneの設定操作支援。ヨーガ教室やオンライン講演会などを定期的に開催し、健康で明るい、多様性を認め合う地域社会を目指しています。 [県外の主な機関・施設] □公益社団法人 NEXT VISION ℡078-304-4455 ※電話受付は平日9時から17時まで Mail 〒650-0047 神戸市中央区港島南町2-1-8 神戸アイセンター2F 夢や想いを大切にして、すべての人が情報や社会とつながる機会と場を提供していま す。豊かで楽しい明日を想像できるような、みんなが楽しみながら協奏する社会、そ んな明るい未来をここから一緒にはじめましょう。 □社会福祉法人日本ライトハウス ℡06-6961-5521 Mail 〒538-0042 大阪市鶴見区今津中2-4-37 目の見えない方・見えにくい方のための総合福祉施設です。日本ライトハウス視覚障害リハビリテーションセンターでは、大阪府の対応に合わせながら、活動しております。 □社会福祉法人 日本視覚障害者職能開発センター ℡03-3341-0900 Mail 〒160-0003 東京都新宿区四谷本塩町2番5号 私たちは、「働きたい」、「働きつづけたい」、「生きがいのある生活を送りたい」と願う視覚障害者を支援するため、PCを利用した事務職に挑戦する視覚障害者の職能開発訓練を中心とした社会福祉事業を行っています。 □認定NPO法人 タートル ℡03-3351-3208 ※電話による照会・相談は、土日・祝日を除く、10:00~20:00にお願いします。 Mail 〒160-0003 東京都新宿区四谷本塩町2番5号 社会福祉法人 日本視覚障害者職能開発センター 東京ワークショップ内 視覚障害というハンディキャップを乗り越えて働く、働き続けることを目標として設立された団体です。全国の視覚障害者の就労問題に、専門で取り組んでいる当事者団体です。 一人で悩まず、まずは相談を。 □国立障害者リハビリテーションセンター ℡04-2995-3100 Mail 〒359-8555 埼玉県所沢市並木4丁目1番地 障害のある人々の自立した生活と社会参加を支援するため、医療・福祉サービスの提供、新しい技術や機器の開発、国の政策に資する研究、専門職の人材育成、障害に関する国際協力などを実施している国の組織です。 、 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 □国立職業リハビリテーションセンター ℡04-2995-1711 Mail 〒359-0042 埼玉県所沢市並木4-2 □国立吉備高原職業リハビリテーションセンター ℡0866-56-9000 Mail 〒716-1241 岡山県加賀郡吉備中央町吉川7520 全国の障害のある方を対象に個々の特性・能力に応じたきめ細かな職業評価、職業訓練、職業指導を総合的に提供しています。視覚障害のある方には、アクセス機器・ソフトを活用した求職者向けの訓練と急な視力低下等により休職されている方等の在職者向けの訓練を実施しています。

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